勝原 楓雅

小学1年から大学を卒業するまで、サッカーだけを追いかけてきた。高校はスポーツ推薦で入学し、仲間とともに全国大会を目指す日々。プロになることも視野に入り、自信もあった。
しかし、大学で迎えたのは人生初の挫折だった。全国から集まった同世代は、自分より明らかに格上ばかり。なかでも「どうやっても勝てない」と思わせる存在がいた。そこで、自分の限界を知り、プロの夢をあきらめた。
悔しさが胸に残りつつも、卒業まで続けられたのは仲間の存在があったからだ。普段はふざけ合う気の置けないヤツらが、ひとたびピッチに立つと表情が変わる。そんな仲間と全国の舞台で戦えた時間は、今でも私の誇りであり、かけがえのない財産だ。

将来は選手でなくてもサッカーに関わる道を考えていたが、何気なく見た動画で「不動産営業」という仕事を知り、そのスケールに惹かれた。何千万円もの資産を扱う責任と重み。
そして、努力した分だけ成果と報酬につながる世界。簡単ではないだろうが、泥臭く努力することなら誰にも負けない。目指すものさえ決まれば、あとはやりきるだけだと思えた。
そして出会ったのが、れくすむだ。規模こそまだ小さいが、「エリア一番を獲る」と堂々と言いきる社長。弱者が強者に挑む、その勢いがあった。しかも社長は私と6歳しか違わないのに、圧倒的な差を感じさせられた。こんな経営者の近くで働きたいと思った。きっとここは、自分の努力を投入するに値する価値がある。

入社して1年半。今の目標は、不動産営業として目標数字を当たり前に達成できる自分になること。そのためにはまず、お客様から信頼される存在でなくてはならない。
入社当初こんなことがあった。お客様から希望エリアや予算を伺い、その条件に合う物件をひたすら提案した。しかし、どれも気に入っていただけず、最後には「私たちには買える物件がないのね」と肩を落とされて帰られてしまった。社長に報告すると、「それはお前が悪い」とはっきり言われた。指示された条件の物件を並べるだけならロボットでもできる。相手が何を望み、何を不安に思っているのか。その気持ちに寄り添った説明をしたのか。その言葉にハッとした。自分の役割を理解した瞬間だった。その日を境に、私の接客は変わった。
これから拡大していくこの会社のなかで、私はもっと自分を磨き「この人なら任せられる」と言ってもらえるだけの力をつけていきたい。そして、かつてサッカーで仲間とともに全国を目指したように、いま再び、仲間とともに大きな夢をつかみにいく。